誰かを本当に

殺したいと思うときは

心が既に殺されている

 

汚い言葉や醜い暴力によって

心に黒い染みが残る

なかなか消えない黒い染みが

 

だからって

自分だけ、と

思うなかれ

若者よ

 

黒い染みは

あなたの母も

愛する人も

あなたが殺したい人も

持っている

 

確かめないでくれ

見えないものを

掴まないでくれ

泳ぐ魚を

 

ほら早く

ナイフは捨てて

歩き出そう

 

きっと

黒い染みを

好きになれるから

 

嘘だっていいじゃないか

何だってええじゃないか

 

たとえ

この詩が

綺麗ごとの嘘八百で

一人歩きしていても

僕は自分の染みを

好きになりたいから