ドーナツ少女
posted in 00:24 2007年09月19日 by macot0801
行列が出来ているドーナツ屋
おいしいわけじゃないけどなんか並んだ
日本だけだってこんなに並ぶの
ドーナツなんか食べたいわけじゃなかった
何やってんだろうって電車の中で泣いた
もっと好きなものを食べたり
好きなことをすればよかったんだ
って食べてから思った
悔しくて奥歯が虫歯になりそうだった
帰ったらドーナツ食べたの?って母に聞かれた
ドーナツおいしかった?って夏に聞かれた
おいしかったんじゃない?
よくわかんないよって雑に答えた
ドーナツなんか好きじゃない
そうは言えなかった
だって母は私のことドーナツが好きな子だと思ってる
あぁ、ちくしょう
ドーナツにとらわれた私
丸い穴から出られない
なんだか背丈が小さくなった
灯が消えた日
posted in 21:05 2007年09月12日 by macot0801
気づいたら
静かな日に 灯は消えていた
残ったのは 残り香と ぬるい室温だった
真夏日
体は丸くなっていた
おなかや おしり だけじゃなく
指から足の裏、 骨まで
すべてが緩いカーブを描いた
愛を感じても
宙返りできない心
布団には僕の背中の形
癒したのは 道でティッシュを配っていた
女の笑顔とふくらはぎだった
灯はいつか消えてしまった
僕は尖ったものが欲しい
三角定規 ナイフ プライド とんがりコーン
なんでも良い
仕事とか 恋とか ギャンブルでも
それは良いかもしれない
灯をつけよう なんて 野暮なこと言わない
灯をつけろ なんて 無理なこと言わないで
自然と灯がつく日まで
この体が冷え切るまで

蟻
posted in 00:42 2007年09月03日 by macot0801
好きって言ってもいいですか?
頭の中は何か話そうとして
必死に蟻がもがいています
何を話したら喜ぶんだろうとか
何を話したら笑ってくれるんだろうって
子供が道に迷っています
でも迷ってるうちに
何も言えなくなって
たまに目が合って
ちょっと笑ってくれて
本当に素敵だなぁって
思った、瞬間
何か話したいってまた思って
でも、ごめんなさい
面白いセンスのある話・・・ないです
黙ったまま時間が過ぎました
また簡素な一日が終わりました
ペラペラとアメリカ人みたいに話せて
陽気な歌でも歌えればいいのに
蟻と暮らしている僕
ひとつしか言葉を知りません
好きって言ってもいいですか?

若鶏のから揚げ
posted in 01:05 2007年08月31日 by macot0801
海から穏やかな潮風が吹いて
日焼けした肌に少し染みる
僕は波の向こう側に何かを探していた
しかし何かをつかんだとき
太陽は沈み、世界は深い闇に包まれた
何も見えなくなってしまった砂浜
でも誰かが地平線の向こう側で
笑いながらささやいた
僕は聞き逃さなかった
昔から世界にはいろんな人がいる。
ひとつのことに情熱を燃やした人、
人生かけて恋をした人、
目に見えるもの全てを嘘だと疑った人。
歴史とは人の積み重ねで
君はその歴史のかけらにすぎない。
瞬き一つせずに聞いていた僕は
ちょっと機嫌が悪くなった
そんなこと、3億年も前から知っているさ
目の前の波は同じことを繰り返していた
僕もいつもと同じように時計を見てから家に帰ることにした
今日の夕飯は何だろう
きっと僕の好きな鶏のから揚げだと
いつものように思った

リア・ディゾン
posted in 00:00 2007年08月29日 by macot0801
友達がグラビアを見て言った
うん、僕も好きだよ
僕は雑誌を覗き込んで言った
でもよく考えてみれば
僕は彼女の何も知らない
彼女が一体、だれなのか
食べ物は何が好きなのか
どんな映画が好きなのか
ただ唯一
彼女のくびれが素敵に見えることと
目が宇宙人のように大きいことと
きっと宇宙人ではなくて女であるということは
リア・ディゾンって変な名前だね
友達は右手で顎を触って言った
僕は雑誌の表紙に書かれた赤い文字を読んだ
「彗星のように現れたグラビアアイドル リア・ディゾン」
赤い文字は煮込んだトマトのように
不安定でぐちゃぐちゃで
バジルの香ばしさを僕に届けた
裏に お金の香ばしさ
タバコの甘ったるさ
夢のはかなさを隠して
シアン マゼンタ イエロー
僕は彼女を見ていない
色を見ているだけ
雑誌の上で
欲望という形を持って
社会は魔女製造工場
悲しみの妖気をまとった魔女製造工場
こんな女がいたらなぁ
友達は言った
僕は笑ってそう言った


愛してるっ
U